長寿企業と労働組合の関係について調査、分析する原稿は、次週までの7回になります。
実際に、労働組合のある長寿企業にとって、労働組合がどのような働きをしてきたのか。無い企業とは何が違うのかを知ることで、長寿企業の社内の労使関係がわかってきます。
それらをぜひ、自社の労使関係にうまく活かせていただきたいと願っています。今回は収益性についてです。

 
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これは過去10年の経常利益の平均を、赤字、0~2%、3%~5%、6%~10%、11%以上の5つのグループで聞いたものです。いろいろな差異が出ています。

まず、赤字グループには労働組合有りの企業が圧倒的に多いようです。労働組合があることだけが要因ではないでしょうが、これだけの差がつくと、非上場の長寿企業にとって労働組合は厳しい存在と言えるように思えます。
ところが、5%以下~11%以上まので普通収益と高収益の企業の割合を見ると、有りが65.1%、無しが55.7%で、10%の差が出ています。つまり、労働組合とよい関係がもてている企業は労働組合の協力もあって、よい収益構造を作れており、それができていない起業は逆に、赤字に陥っている、ということがここからわかります。
そして高収益の11%以上のところを見ると、有りが1.2%、無しが5.7%ですから、労働組合のある企業では11%以上となるような高収益を上げることはままならない、というのがわかります。その高収益の部分は、しっかり従業員に配分されるということでしょう。
総体的に、労働組合の有る企業の経営状況は、良い企業と良くない企業が極端にでる可能性があることがわかります。
一方、無い企業では2%以下と5%以下の企業をあわせて79.9%となり、8割の企業は利益を計上しています。実は、これはたいへんなことで、非上場の非長寿企業で労働組合のない一般企業と比べると、大きな違いとなります。

国税庁の21年度分調査では、黒字申告企業は710,552社、赤字申告企業は1,900,157社です。黒字企業は全体の27.2%に過ぎません。
(http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2009/kaisya.htm)

ほぼ4社に1社しかないわけです。それに比べると、長寿企業の優秀さがよくわかります。
ここが長寿企業の真骨頂と言え、赤字を出さない、されど高い収益も出さない、という「ぼちぼち経営」が長寿企業になるための大きな特徴です。