経営年数100年以上の企業の経営スタイルと経営哲学を研究しています。調査・研究成果を発表してゆきます。

跡継ぎ

第54回:後継者として、先代から受け継ぐのに重要なこと

後継者として先代から受け継ぐのに重要なことを聞いたところ、ここでも技術は高い位置にランキングされていました。

第1位:ヒト
第2位:技術
第3位:カネ
第4位:経営哲学
第5位:モノ
第6位:情報


技術はカネよりも大事に考えられており、モノは5位に低迷しています。その間に技術と経営哲学が割り込む形になりました。この順位はたいへん示唆に富んでいます。

第22回の「経営上で重視する分野」の調査結果でも、ヒト、モノ、カネ、技術、情報、哲学の中では下記のような結果になりました。

ヒト:4.0
モノ:3.8
カネ:3.9
技術:4.1
情報:3.3
経営哲学:3.9


ここではわずかながらも技術がヒトを抑えて、第1位になりました。これが新興企業やベンチャー企業の答えなら予想もできますが、まさか平均144年の長寿企業が技術に重点を置いているとは考えておりませんでした。では同じ企業に、20年前にアンケートをしても同じ結果が出たでしょうか? 予想ではありますが、技術ではなかっただろうと思います。

今日、かつてのような系列取引や長年の取引を頼みの綱にして経営、営業をしているだけでは、競合の激しい時代に破れる、という危機感が長寿企業の背景にあると思います。自社独自の技術や商品・製品、競合社と差別化できる何らかの特徴がなければ、長寿企業といえども生き残れない、という経営者の厳しい環境認識が見えてきます。

第50回:経営の継承が上手くできた理由

50グラフ

40%が経営の継承がうまくできた理由として、「同族経営を続けてきたから」をあげました。同族経営礼賛になっています。この結果と、第45回の回答で、代々の経営者は80%が同族でありましたので、このふたつは表と裏の関係にあります。同族経営を続けてきたから経営の継承がうまくできて、その結果、80%の会社では平均144年間、同族経営を続けてきた、ということです。
144年間には平均4回程度の経営の継承がおこりました。その時、80%の会社が同族への継承を行い、それは今日の結果として良かった、という評価をしているようです。
また、第47回にあるように、後継者の人選で重要なことは「同族者であること」は29%で、けっして高いわけではありませんでした。しかし、結果として今回の調査対象であった非上場の長寿企業では、同族性は高いと言えます。

アンケートに答えていただいた東京のある老舗企業からは、化粧品の資生堂の創業者・福原有信氏が輩出しました。長寿企業は、長年、地元を支え、雇用を守ってきました。そして、多くの起業家も輩出してきて、まさに日本の下支えをし、日本産業の母胎となった企業です。もっと評価されて良いと思うのは、筆者だけではありません。
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