経営年数100年以上の企業の経営スタイルと経営哲学を研究しています。調査・研究成果を発表してゆきます。

社員教育

第24回:長寿企業がおこなっている社内行事について

長寿企業がおこなっている社内行事について


第1位:経営方針発表会  
第2位:社員旅行
第3位:事業部門ごとの計画・実績発表会


これは別の4つ(運動会、家族招待パーティ、職場別コンパ、創立記念会)を含めた7つの社内行事の中から、何を行っているかを選んでいただいた結果です。

福利厚生である「社員旅行」を挟んで、第1位と第3位に事業計画等についての発表会を入れているのは、より事業計画に合致した会合に時間を割こうとしている傾向があります。ちなみに、創立記念会をしているのは全体の25.3%でした。1/4の企業しかおこなっていないのは、長寿企業にあっては意外な結果でした。長寿企業は創業記念などを大事にされている印象がありましたが、周年記念を毎年、時間とお金をかけてお祝いをすることには積極的ではない、ことがわかりました。周年記念をことさら強調することなく、会社の業績向上に視線を向けていることが伺えます。

この他、選択肢にない行事としては以下のようなものが上がっていました。
懇親いも煮会、そば打ち大会、技術発表会、創意工夫発表会、新入社員歓迎会、QCサークル活動、新年会、誕生会、ボウリング大会、コンサート、納涼会などです。
最近では、社員旅行をしていない企業もあるようです。ひと時代前なら、個人では行けなかった旅行に会社が連れて行ってくれる、というメリットがありましたが、いまではいろんなパックやルート、値段の多様性もあって、行きやすくなっています。

ある長寿企業の経営者は、「地方の神社仏閣を見学して、夜遅くまで酒を飲んで騒いで、翌日の朝早くからまた見学・・・というような社員旅行に意味があるとは思えない。それなら勉強会をするほうがいい」と、端的な意見を述べておられました。
これについて筆者は経営者として「思い出づくりの効用」という効果を社員旅行に見出してきました。会社ではなく、離れたところで、一緒に思い出を作っていくことによる連帯感、一体感があるのではないか、ということです。

聖徳太子のあまりにも有名な一七条憲法の第一条「和を以て貴しとせよ」は全文はこうなっています。

「和を大切にし、いさかいをせぬようにせよ。人はそれぞれ仲間があるが、全くよく悟った者は少ない。それ故君主や父にしたがわず、また隣人と仲違いしたりする。けれども上下の者が睦まじく論じ合えば、おのずから道理が通じ合い、どんなことでも成就するだろう。」(宇治谷孟氏訳)

上下仲良くせよ、ということですね。それは一緒に思い出づくりをすることも互いの気心を知るきっかけになるのではないでしょうか。当社では3年前に中国・北京に社員旅行をし、本年は大阪は淡路島に、東京は千葉・木更津の方面に一日旅行をしました。今も以前の旅行の思い出話がちょいちょい出てくるのは楽しかったからでしょう。

第23回:社員の教育・研修で重要なこと

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まさに長寿企業らしく、会社の理念の教育がもっとも大事と考えている経営者が多いようです。内容を分けてみると、業務に直接関係することは「業務知識そのもの」「商品・製品の知識」「目標設定」「年度の経営方針」となり、合計で149でした。一方、理念のように考え方におよぶ教育については、「モチベーションの向上」「懇親」「人間関係づくり」「マナー」「一般常識」「会社の理念」で、合計は184になり、前者の1.23倍でした。もっと差が出てくるかな、と予想しておりましたが、思っていたほどではなかったので、逆に意外でした。

ということは、長寿企業でも理念教育よりも、業務に直接関係する知識、技能、スキルの研修が大事だ、と考える会社が増えてきた、と言えそうです。それは前回調査で経営の大事な要素として「技術」が浮上してきていることと、密接に関わっていると考えられます。
「会社の理念」という選択も圧倒的ではありませんでした。全体の23.2%ですから、4社に1社もない、ということです。これが思いの外少なかったことの方が、意外でありました。
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