7.家族主義と実力主義の違い
経常利益率が「赤字」と「2%以下」を利益率の低い会社と位置づけ、経常利益率を「家族主義」から「実力主義」の5段階で比較すると、「実力主義」の会社の利益率が悪いという調査結果が出ています。一方、「10%以下」と「11%以上」という利益率の高い項目を見ると、ここでも実力主義の会社の比率が高い。これらにより、実力主義の会社は経常利益率が高くなるか、低くなるか、経営成果が両極に振れることがわかります。
これは社員と会社の関係に起因しています。家族主義の会社では社員と会社の関係が安定しており、逆に、実力主義の会社では不安定で、社員の離職率や流動性が高いと考えられます。
一方、経営成果を「家族主義・やや家族主義」と「どちらとも言えない」と「実力主義・やや実力主義」の3つに分けて比較したところ、経常利益率を「10%以下」「11%以上」のところでは「どちらとも言えない」の経営成果が3番目になります。「どちらとも言えない」は社員と会社の関係が家族主義とも実力主義ともどちらとも言えない中途半端な状況にあり、そもそもそのような概念で社員と会社の関係について考えていないと思われます。よって、施策が時には家族主義的であったり、時には実力主義的であったりしているのではないでしょうか。このような状況で高い利益率を生みだしていくのは有効でないことがわかります。
経常利益率の安定的な比率を「3%以上」としてみると、ここでも「やや家族主義」がもっとも安定しています。逆に、「家族主義」と「実力主義」の項目の利益が安定していません。ここにも社員と会社の関係が経営成果として如実に反映されています。両極の「家族主義」や「実力主義」と明確に打ち出している会社では、社員がついていくのはたいへん。社員には「実力主義」も「家族主義」も「やや」がついているほうがいい。明確な実力主義も家族主義も社員には居心地がよくないのでしょう。
各主義ごとに過去10年の経常利益率がわかる表で、「家族主義とやや家族主義」の項目と、「実力主義とやや実力主義」を見ると、明らかに「やや家族主義」のほうが「10%以下」と「11%以上」の数値が高い。つまり利益率が高い。それは「家族主義」と「実力主義」の2項目を比較してもわかります。
さらに経常利益率が「3%以上5%以下」でも「やや家族主義」が最も経営が安定しています。逆に「家族主義」の項目が落ち込んでおり、前述のように「家族主義」もほどほどに、ということです。明確な「家族主義」は社員を窮屈にし、また成果の上がらない社員を入れ替えることがしにくいため、社員に緊張感がたらず、社員と会社がなれ合いになる恐れがあります。これで経営成果を上げてゆくのは厳しいことが読みとれます。
同業他社と比べる過去の収益状況を見ると、各主義によって経営成果に大きな違いが出ています。「やや家族主義」がもっとも安定しており、次に「どちらとも言えない」です。「やや実力主義」と「家族主義」は他社に比べて経営成果が低く、特に「実力主義」の項目は、極端に低くなっています。
このように、「家族主義」と「実力主義」は、社員と会社の関係を定義づけており、それらは経営の成果に色濃く反映されています。
経常利益率が「赤字」と「2%以下」を利益率の低い会社と位置づけ、経常利益率を「家族主義」から「実力主義」の5段階で比較すると、「実力主義」の会社の利益率が悪いという調査結果が出ています。一方、「10%以下」と「11%以上」という利益率の高い項目を見ると、ここでも実力主義の会社の比率が高い。これらにより、実力主義の会社は経常利益率が高くなるか、低くなるか、経営成果が両極に振れることがわかります。
これは社員と会社の関係に起因しています。家族主義の会社では社員と会社の関係が安定しており、逆に、実力主義の会社では不安定で、社員の離職率や流動性が高いと考えられます。
一方、経営成果を「家族主義・やや家族主義」と「どちらとも言えない」と「実力主義・やや実力主義」の3つに分けて比較したところ、経常利益率を「10%以下」「11%以上」のところでは「どちらとも言えない」の経営成果が3番目になります。「どちらとも言えない」は社員と会社の関係が家族主義とも実力主義ともどちらとも言えない中途半端な状況にあり、そもそもそのような概念で社員と会社の関係について考えていないと思われます。よって、施策が時には家族主義的であったり、時には実力主義的であったりしているのではないでしょうか。このような状況で高い利益率を生みだしていくのは有効でないことがわかります。
経常利益率の安定的な比率を「3%以上」としてみると、ここでも「やや家族主義」がもっとも安定しています。逆に、「家族主義」と「実力主義」の項目の利益が安定していません。ここにも社員と会社の関係が経営成果として如実に反映されています。両極の「家族主義」や「実力主義」と明確に打ち出している会社では、社員がついていくのはたいへん。社員には「実力主義」も「家族主義」も「やや」がついているほうがいい。明確な実力主義も家族主義も社員には居心地がよくないのでしょう。
各主義ごとに過去10年の経常利益率がわかる表で、「家族主義とやや家族主義」の項目と、「実力主義とやや実力主義」を見ると、明らかに「やや家族主義」のほうが「10%以下」と「11%以上」の数値が高い。つまり利益率が高い。それは「家族主義」と「実力主義」の2項目を比較してもわかります。
さらに経常利益率が「3%以上5%以下」でも「やや家族主義」が最も経営が安定しています。逆に「家族主義」の項目が落ち込んでおり、前述のように「家族主義」もほどほどに、ということです。明確な「家族主義」は社員を窮屈にし、また成果の上がらない社員を入れ替えることがしにくいため、社員に緊張感がたらず、社員と会社がなれ合いになる恐れがあります。これで経営成果を上げてゆくのは厳しいことが読みとれます。
同業他社と比べる過去の収益状況を見ると、各主義によって経営成果に大きな違いが出ています。「やや家族主義」がもっとも安定しており、次に「どちらとも言えない」です。「やや実力主義」と「家族主義」は他社に比べて経営成果が低く、特に「実力主義」の項目は、極端に低くなっています。
このように、「家族主義」と「実力主義」は、社員と会社の関係を定義づけており、それらは経営の成果に色濃く反映されています。