経営年数100年以上の企業の経営スタイルと経営哲学を研究しています。調査・研究成果を発表してゆきます。

事業

第32回:事業の先行きが厳しくなったときの対処方法


対処方法を聞いたところ、以下のような順位になりました。

第1位は顧客ターゲットを変えた
第2位は商品を変えた
第3位は原価を大幅に低減した


選択肢は以下のものでした。

1. 商品を変えた 2. 品質を変えた 3. 販売エリアを変えた
4. 売値を変えた 5. 販売ルートを変えた 6. 顧客ターゲットを変えた
7. 原価を大幅に低減した 8. 会社の規模を縮小した
9. 従来のやり方を貫いた


事業の先行きが厳しくなってきたときに、まず最初に行うのは、商品を変えずに、品質・販売エリア・売値・販売ルート・原価も変えずに、顧客ターゲットを変えた、という答えでした。これには唸りました。同じものを違った顧客に売るというのはそう簡単ではないように思います。それよりも、売値や販売ルートを変えるほうが、はるかにやりやすそうなのですが、長寿企業は、まずは顧客を変えたわけです。
たとえば、和菓子を作っているとします。それをいままでは中高年齢の方々に売っていたのを、そういう一般顧客ではなく茶道教室に売るとか、若い人たち向けに販売するようにした、ということです。なかなかの行動力だと思います。

次に、商品を変えたということでした。顧客を変えずに、同じ顧客に別の商品を売るということです。自社の商品が長い時代の間に、他の商品に置き換わったり、他社に奪われたり、ということが起こった場合のことです。たとえば、刈谷市にあるシマツ株式会社では、安政年間に業務用の手袋を販売していたそうです。1920年代に豊田自動織機製作所が開業したときに、業務用手袋を納入していましたが、いまでは安全衛生保護具を豊田系の会社に納入する会社になっています。最所は「手」だけを相手にしていたのを、頭、足、身体へと拡げて行かれたということです。こういう変化の仕方もありました。

第3位には、原価を大幅に低減したというのが入りました。原価を低減した、ということはそれによって販売価格を下げて、顧客により多くを買っていただいたのか、競合他社に競り勝っていったのか、ということです。同じ商品を、品質を変えずに、原価を下げるのは、原料の仕入れ先にお願いをして仕入れ価格を下げていただいたか、原料や製造工程の見直しなどの創意工夫によって原価を下げたということです。
原価を低減して、粗利率を上げたということになると、それは競争優位に立っているときの対処法ですので違います。

また、それは商品を変えることよりも、変更内容はマイナーチェンジでいけます。販売する商品を変えることは、流通業ならやりやすいですが、メーカーですと乾坤一擲の勝負になります。仮に、あらたに開発した商品が当たったとしても、その商品に関わっていた今までの設備や人材が使えなくなる可能性があるからです。いままでの設備や人材を活かすことを考えると、やはり顧客を変えるか、販売ルートや販売エリアをかえることのほうが、はるかにやりやすいと言えます。
長寿企業の変化は、やはり粘り強いことがわかります。

人口も国土も10倍のインドで、あまりに違う出版ビジネスモデルに驚愕

当社では、いままで日米間、日中間の出版活動を行ってきました。それは日本の本を米国や中国で翻訳出版をする、あるいはその逆を行うという活動でした。多くの場合は、日本国内の著者の希望が発端で、多少のコストは負担するから、米国で、中国で、私の本を出版してほしい、というご要望です。

昨年、インドでの出版の希望をもたれた著者があり、我が社で5刷まで売れた、人材マネジメントの考え方をまとめた本を英語にして、インドで出版しました。一度もインドに行くことなく、インド大使館の文化担当官と相談をして、実績のある出版社を選び、そこに企画を持ち込んで、費用関係の条件などをメールでやりとりをして詰めていきました。
そして本が出来上がったのが2011年4月。それからPRをして、7月には本を発売をするというので、時期を待っているうちに、インドをよく知っている著者が、「ほんとうに約束の初版部数を作ってくれているでしょうか。だまされているんじゃないですか?」と言われるのを聞いて、確かにわからないし、行ったこともないインドの出版でこのビジネスを成就しようと考えるのは甘い。またこのまま放置しておくと、著者の懸念を無視することになってしまうので、自ら出かけていくことにしました。8月4日のインドエアでデリーに飛びました。
初めてのインドで、珍道中でありましたが、旅行にまつわる細々としたアクシデントはここでは書かないこととします。
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