後継者として先代から受け継ぐのに重要なことを聞いたところ、ここでも技術は高い位置にランキングされていました。

第1位:ヒト
第2位:技術
第3位:カネ
第4位:経営哲学
第5位:モノ
第6位:情報


技術はカネよりも大事に考えられており、モノは5位に低迷しています。その間に技術と経営哲学が割り込む形になりました。この順位はたいへん示唆に富んでいます。

第22回の「経営上で重視する分野」の調査結果でも、ヒト、モノ、カネ、技術、情報、哲学の中では下記のような結果になりました。

ヒト:4.0
モノ:3.8
カネ:3.9
技術:4.1
情報:3.3
経営哲学:3.9


ここではわずかながらも技術がヒトを抑えて、第1位になりました。これが新興企業やベンチャー企業の答えなら予想もできますが、まさか平均144年の長寿企業が技術に重点を置いているとは考えておりませんでした。では同じ企業に、20年前にアンケートをしても同じ結果が出たでしょうか? 予想ではありますが、技術ではなかっただろうと思います。

今日、かつてのような系列取引や長年の取引を頼みの綱にして経営、営業をしているだけでは、競合の激しい時代に破れる、という危機感が長寿企業の背景にあると思います。自社独自の技術や商品・製品、競合社と差別化できる何らかの特徴がなければ、長寿企業といえども生き残れない、という経営者の厳しい環境認識が見えてきます。