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共有してきたとやや共有してきたの合計は65.4%となり、2/3になりました。成功事例の共有は、仕組みを作っているほどではないとしても、多くの企業でされているようです。成功例というのは、目立ちますし、業績に如実に反映し、しかも成功であることを当事者達も吹聴するでしょうから、おのずと共有化されるケースがあると思います。

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一方、失敗事例については、成功事例よりもやや落ちました。共有してきたとやや共有してきたの合計は60.2%でした。失敗事例というのはやはり共有しにくいものです。とくに、それが代表者やオーナーの家族が絡んでいる場合はなおさらです。それでも60%を超えているのは立派と言えるのではないでしょうか。
特に、失敗事例の共有というのは、そこから学び、二度と繰り返してはならない、ということは重々わかってはいるのだけれど、汚点を残す、というのはやはりやりにくいものです。また、会社と経営者に謙虚さと自信がないとできないことであります。
それでも成功事例と失敗事例の「共有化してこなかった」というのは思っていたよりもはるかに数値が低かったので、安心したと言うか、喜びました。

東京にある、創業397年の会社の代表者(同族で17代目)にインタビューをしたとき、その方は成功例はもちろん、失敗例もすべて開示し、共有化していると答えられました。「すべて」というのはなかなか言えないことですし、できないことです。しかし、他の社員さんがおられる前で、明確に答えられましたので、偽りのないことです。ほんとうに立派な経営者だと思いました。
この成功例と失敗例の共有をしている率の高さは、長寿企業になるための、ひとつの秘訣であると考えられます。