前記の2回でタテ比率とヨコ比率それぞれを見て、長寿企業の特徴を分析しました。このテーマは今回のハイライトの一つですから、タテ比率とヨコ比率を総括しておきたいと思います。
上記では赤字から10%以下までの4項目で、「実力主義」のほうが数が多いことがわかりました。特に、2%以下のところで「家族主義」と「実力主義」の数値差が大きくひらきました。11%以上のところでは「家族主義」と「実力主義」とが同じ数値になっています。この表では、「実力主義」のほうは利益率が悪く、「家族主義」のほうがよいようです。もっともよいのは「やや家族主義」のところの数値が安定しています。赤字企業は「やや実力主義」がトップで、2位はどちらともいえない、でした。
11%以上の企業は、「やや家族主義」がトップで、「どちらとも言えない」と「やや実力主義」が2位。
「家族主義」と「やや家族主義」の赤字と2%以下の合計は31.4%、「実力主義」と「やや実力主義」の赤字と2%以下の合計は101.9%となります。
「家族主義」と「やや家族主義」の10%以下と11%以上の合計は58.9%、「実力主義」と「やや実力主義」の10%以下と11%以上の合計は77.5%となります。
ここからわかるのは以下のことです。
- 家族主義傾向の会社は、赤字を出す比率が低い
- 実力主義傾向の会社は、赤字を出す比率が高い
- 家族主義の会社の利益率は高くない
- 実力主義の会社の利益率は家族主義よりも高い会社が多い
- 実力主義の会社は、利益率が高いか、低いかもしくは赤字かというように極端に分かれる傾向がある
- 家族主義の会社は、利益率が低くもなく、高くもなく、中庸にくる
- やや家族主義の会社が最も高い利益率を確保している
- 2%以下の利益率の企業が最も多い
- 5%以下の利益率の企業が80.7%を占める。長寿企業の利益率は高くない
- 「10%以下」以上の利益を最も多く獲得しているのは「やや家族主義」で、25%の企業が5.1%以上を確保している
- やや家族主義と家族主義の5.1%以上の利益率は41.7%
- やや実力主義と実力主義の5.1%以上の利益率は26.3%
- やや家族主義と家族主義の2%以下の利益率は98.9%(200%のうち)
- やや実力主義と実力主義の5.1%以上の利益率は88%
- 家族主義のほうが利益率は高い。しかし赤字企業はない
- 「どちらともいえない」と「やや家族主義」を比較しても、「やや家族主義」のほうが利益率がよいのがわかる。