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第1位は実際にいくらのお金が入って、いくら出ていって、いくらが残ったか、という純現金収支でした。これをプラスにしていけば、期間と時期の誤差はありますが、経常収支も必ずプラスになります。入ったお金、出たお金、残ったお金をグラフにすれば、年間でどの時期にどれぐらいのお金がいるのかが、あらかじめわかりますので、資金計画が立てやすくなります。第2位は月末にいくらの現預金が残っているか、という数字でした。そして、第3位にいくらの借入金が残っているかの借入残高でした。

純現金収支は、フリーキャッシュフローといわれるもので、営業活動による現金収支と、投資活動による現金収支の合計で表されます。売上総利益から販売管理費を引いて、営業利益がプラスになっていても、設備や土地、債権などで大きな投資をしたら、その分がマイナスになります。逆に、それらを売却して現金が入ってくれば、プラスになります。その時点で固定資産が流動資産に振り替えられます。ここで流動比率が上がるので金融機関の思し召しは良くなりますが、所有資産は減ります。

そういう条件の下で、純現金収支にもっともこだわっているというのは、長寿企業は土地などの固定資産の大きさでもっているように見えがちですが、心がけているのは、流動資産で、現金にこだわっているのがわかります。それは土地に投資をするよりも、さらに保守的と言えるでしょう。