社員持株会の有無と、過去10年の経常利益平均との関係
単位:社
  赤字 2%以下 5%以下 10%以下 11%以上 合計
有り 1(0.1%) 41(38%) 45(41%) 20(18%) 3(3%) 110(100%)
無し 6(3%) 81(40%) 78(39%) 25(12%) 11(5%) 201(100%)
合計 7(2%) 122(39%) 123(40%) 45(14%) 14(5%) 311(100%)

 前回に続いて、社員持株会の有無と、利益がどのような関係にあるのかを探ってみたところ、上記のような結果となりました。
 2%以下を利益率の低い会社とした場合、有:38%で、無:43%で若干、無い会社のほうが多いですが、有意な差ではありませんでした。また、10%以下と11%以上を利益率の高い会社と考えた場合、有:21%、無:17%で、これも有意な差ではありませんでした。しかし、どちらも持株会がある会社の方がよい経営をしているのには、有意な違いがあると言えるでしょう。よって、持株会があるほうが、安定的な経営をしている傾向がありそうです。

 また、持株会の有無に関係なく、全体の傾向を見てみると、回答のあった企業の中で、赤字企業は全体のわずか2%でした。企業全体の赤字率は70%(2008年国税庁調査)ですから、長寿企業の優秀な経営が明確に出ています。ただ、アンケート全体の回答率は21%で、他の79%のうちにどれぐらいの赤字企業があるのかはわかりません。
 この表の中で利益率が低い2%以下は39%、3~5%は40%、6%以上は19%になります。財務省の法人統計調査では黒字企業の平均利益率は2.4%(2008年)ですから、3%以上の利益率を出している長寿企業は59%になりますので、さすがに、尊敬される長寿企業の優秀さが浮き彫りになっていると申せましょう。
 ぜひ、こういう経営を目指したいものです。